石川賢紹介 第二回 ゲッターロボG
「ゲッターロボG」
注意 この記事にはゲッターロボ終盤のネタバレがあります。ご了承ください。
今回紹介するのは漫画版ゲッターロボの続編であるゲッターロボG。恐竜帝国との戦いで武蔵とゲッターロボを失った竜馬、隼人はその傷も癒えぬまま新たに襲い来る百鬼帝国との戦いに身を投じていきます。補充パイロットである弁慶も加わった新生ゲッターチームが乗るのはゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドンの三形態に合体変形するゲッターロボGです。ディティールも細かく色使いも複雑になって、まさに新型機と言った感じでかっこいいですね。
ゲッターロボGは続編だけあって無印を経た登場人物の変化が見どころです。それは隼人のいとこが登場する「魔王鬼の挑戦」というエピソードに顕れています。隼人がゲッターチームに引き抜かれて以降、いとこは学生運動グループを率いなければなりませんでした。しかし、いとこには知能指数300の頭脳もカリスマもありません。追い込まれた彼は百鬼帝国の誘いに乗ってしまいます。百鬼の人体改造を受けたいとこは隼人を引き戻すために接触します。自分が出ていったことでいとこを追い詰めてしまった罪悪間に苛まれます。あの隼人が! ちょっとでも自分の命令に背けば目だ!耳だ!鼻!と顔を素手でそぎ落としていた隼人がです。しかしもう事態は取り返しのつかない地点まで進んでいます。いとこは百鬼帝国の戦闘メカ魔王鬼のパーツとして改造されていたのです。自我も消え果てたいとこと学生運動の仲間達を隼人は破壊します。人の弱さに漬け込む百鬼帝国への怒りを更に強くしてゲッターチームは戦い続けるのです。
このように、無印のメンバーを更に掘り下げていくのがGの特徴と言えます。竜馬と隼人にヒーロー性が芽生えたことで彼らは悩み傷つくこともあります。それは一つの成長でもあります。しかしこの先に待つ残酷な真実の前にヒーローであることは意味をもつのでしょうか…。その詳細は続編である號やGと號の間を描いた過去編で語られるので楽しみにしておいてください。
さて、Gと言えば最終決戦について語らねばありません。アトランティスを沈めた超古代兵器ウザーラを手に入れたゲッターチームは日本を制圧した百鬼帝国に反撃を開始します。ウザーラの頭の上で腕を組んで立ち海中から現れるその姿!まさにヒーロー!
あまりのカッコよさに方々でオマージュされています。しかし残念なことにガイナ立ちと呼ばれています。元祖はこっちなのに! ガンバスターがパクったのに! まあいいでしょう。これから正しい認識を広めていけばいいのです。閑話休題。Gの最終決戦と言えばかっこいい構図の雨あられ。躍動感あふれるアクションの数々、そして太陽を背にしたゲッタードラゴン、そしてシャインスパーク!かっこいい、かっこいい、かっこいい! 前作の最終決戦が百鬼帝国の横槍で終わってしまったからこその爽快感、作品を超えたリベンジ、これこそカタルシスのお手本です。
悪いやつを倒してスカッとしたい!そんな時におすすめの作品です。
よい石川賢ライフを!