ある石川賢ファンの雑記

石川賢の漫画を普及し人類のQOLの向上を目指します

石川賢紹介 番外編 真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ

「対って書いてあるけど戦わないのはお約束」

 

 今日紹介するのはOVAゲッターロボシリーズ二作目真ゲッターロボ対ネオゲッターロボです。本作の魅力を表すとしたら、単純明快なエンタメ作品。それに尽きます。個人的にはOVA三作の中で一番好きです。全4話と短いですが、その中に武蔵の自爆、號のスカウトと戦いの決意、恐竜帝国の狡猾な作戦、後継機への乗り換えイベント、テキサスマック、敷島博士と楽しいイベントが詰まっているのです。楽しいお祭り気分になれるゴキゲンな作品。そんな面白さがこの作品の魅力です。

 本作の面白さ、それはまず掴みの上手さにある。漫画版無印ゲッターロボの終盤を彷彿とさせる武蔵単騎の決戦。無数のメカザウルスを相手に単身戦うゲッターロボ。記憶喪失によって戦うことのできない竜馬、それを見守るしかない隼人。ニューヨークの街が廃墟と化していく。ゲッターロボすらも追い詰められ、メカザウルスが群がる。しかし、それこそが武蔵の作戦、武蔵の覚悟。ゲッター炉心を取り出し、暴走させる武蔵。そして、爆発。ニューヨークをゲッター線が覆い、メカザウルスを道連れにした。ここですかさずOP! 穏やかな海が爆音で渦巻き炎が上がり、黒煙の中で死神が微笑み大地が割れる歌詞と映像! 叫び惑う人々の中をか!き!わ!け!俺は急ぐ迫りくる敵へ走る歌詞と映像! そして!熱き怒りの嵐を抱いて戦うために飛び出したゲッターが今を生きる人間の腕に明日の希望を取り戻す! 最高! 何を言っているかわからないと思うが、書いた通りなのだ。本当に一字一句同じなのだ。ぜひ見るのだ。

 テキサスマック。テキサスマックを語らずして本作を語り切ることにはならない。あのテキサスマックだ。TV版のチョイ役がスパロボで取り上げられ、謎のキャラ付けをされた後に本作へと逆輸入されたテキサスマックだ。怪しい片言のアメリカ人、ジャックキングとメリーキングの兄妹が操縦するアメリカ製のスーパーロボットがテキサスマックである。グランドキャニオンの岩が真っ二つに割れて、馬型ロボットに乗って発進するカウボーイをモデルとしたロボット。うさん臭さの塊である。こんなにコテコテのアメリカ臭がするロボットはガンダムマックスターとこいつくらいだ。そんな出オチみたいなテキサスマックだが、本作ではかなり活躍する。過去一活躍する。これはもうテキサスマック史に残る快挙である。そもそも本作以外でまともな出番がないが。なんと一話まるごとメイン回が与えられているし、最終決戦でも助っ人として参加する。何故かエンディングもテキサスマックのテーマである。ただ、それだけ尺を割くだけあって、パイロットも機体もカッコいい。しっかりと活躍し存在感がある。アメリカの子供がい隕石を迎撃するテキサスマックに歓声を上げるシーンはベストテンに入るくらい好きなシーンだ。世界一テキサスマックがかっこいいアニメ「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」ウォッチナーウ!

 何よりも、本作は王道をしっかりと踏みしめて歩んでいる。新ゲッタチームが絆を育てるまでの流れ、キャラ立ち、竜馬と隼人のいぶし銀な活躍、そして意外なことに本作は爽やかなハッピーエンドで終わる。敵を倒し、ゲッターと一体化したと思われた號たちは無事に帰還し、平和な日常は戻ってくる。これだ、これがあるこそ本作はいい。石川賢チックな宇宙の果てに、虚無の彼方に続く終わり方も嫌いではない。むしろ好きだ。好きだが、こんな終わり方もいい。だからこそまず勧めるなら本作だと私は胸を張って言える。石川賢だった魔空八犬伝武蔵伝は奇麗に終わっている。

 まず、ゲッターロボってどんな感じなんだろう? とにかく派手に動くかっこいいロボットが見たい。ゴキゲンになりたい。そんな時、本作を見るのだ。疲れた心に活力を与えるいい薬になる。私もこれを見てから調子がいいんだ。声も聞こえてくる。さあ、見るんだ、さあ!

 よい石川賢ライフを。