ある石川賢ファンの雑記

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石川賢紹介 第五回「ゲッターロボ號」 真のゲッター編

 

 

ゲッターロボ號」

 

 ついに物語は終わりに向かって突き進む。アラスカでの戦いは人類の勝利に終わったが、その代償は大きかった。ドイツ、カナダのスーパーロボットパイロット含めて散り、アメリカのステルバー、そして日本のゲッターも破壊された。機体を失ったゲッターチームは連合軍に残る翔と日本に戻る號と凱に別れる。

 ここからは二つの物語が同時に進行していく。日本に戻った號と凱は隼人と共に失われた早乙女研究所で真ゲッターロボを見つける。そう、早乙女研究所である。不自然にまで触れられていなかった隼人以外のゲッターチームと早乙女博士。その理由がここにあるのだ。かつて早乙女研究所ではゲッター線の暴走事故が起こった。それは全てを呑み込んだ。生き残ったの竜馬と隼人は決別し、別々の道を歩む。ゲッター線無しでも戦おうとした隼人。戦いから退いて市井で生きようとした竜馬。しかし運命は、否!ゲッター線の意思は二人を離しはしない。

 隼人はランドウの戦闘要塞蛇牙城に対抗するには真ゲッターしかないと判断し、竜馬を呼び戻そうとする。竜馬は激しく抵抗するも、そこに襲い掛かったのはハチュウ人類だった。

 連合軍に残った翔はシュワルツと共にアメリカのスーパーロボットステルボンバーに乗り込み、北極圏に向かう。アラスカの戦いによって追い込まれたメタルビースト軍団はその勢力を弱め、本拠地蛇牙城のある北極圏にまで戦線を後退させていた。さらに、ランドウに協力していたハチュウ人類が裏切り、蛇牙城を乗っ取ったのだ。ハチュウ人類はランドウに協力するふりをして地上の征服を目論んでいた。環境改造装置を使って大気を作り変え、地球を人間の住めない星にしようとするハチュウ人類と装置を壊しそれを阻止しようとするスーパーロボット軍団との最終決戦が始まろうとしていた。

 ハチュウ人類に囲まれた竜馬たちに突如現れたグリーンアース教の教祖タイールは早乙女博士の意思を告げる。ゲッターに乗れと。タイールにはゲッターに取り込まれた者の声が聞こえるのだ。そして現れる真ゲッター。これ以外に手はないと一行は真ゲッターに乗り込む。そして真ゲッターはその力の片鱗を見せつける。ストナーサンシャインによって町一つ巻き添えに敵を倒した真ゲッター。その力に恐怖する者、発狂する者、二度と目覚めぬ者もいた。そして皆、あるものを見たのだ。それはゲッターの意思。進化の歴史であり、命そのもの。

 北極圏の戦いは熾烈を極める中で、ロシアは核使用を宣言する。タイムリミットまでに蛇牙城を倒せぬ場合は核を以て北極圏ごと破壊すると決断したのだ。翔たちはそれを阻止するため一刻も早く敵を倒そうとする。辛くも装置を破壊したものの既に核は発射された。マグマのエネルギーに核が加われば地球の自転は乱れ世界は滅びてしまう。果たして地球の運命はいかに。

 真ゲッターの力を目の当たりにした號は破壊すべきだと考える。一方あれほど抵抗していた竜馬はゲッターを受け入れていた。二人が言い争っているうちに凱が真ゲッターを破壊せんとするも逆に同化されてしまう。そして、ゲッターと一つになった凱は全てを理解し、北極圏に核が落ちようとしていることを伝えるのであった。もはや猶予はない。竜馬、號、タイールは真ゲッターに乗りこむ。そして隼人に告げぬまま飛び立つのであった。竜馬は悟っていた。自分が二度と戻らぬことを。そして、隼人はこれからも必要な人間であると考え、置いていったのだ。

 そして二つの物語は交わり、一つとなり、そして更に大きな渦に巻き込まれていく。真ゲッターパイロットがそろったことによりその力の全てが開放される。一瞬で日本から北極圏に飛び核ミサイルを吸収してしまう。更に、ハチュウ人類の最終機動兵器をも食ってしまったのだ。何をいっているかわからないだろう。文章では理解できないだろう。しかし、それが正しい表現だ。そしてゲッターは戦いを、物語を、全てを一つにまとめて、呑み込み、飛び立つのだ。未来へ。

 君たちにはその眼で見て欲しい。ゲッターとは何かを。その深淵は人知の及ばないものかもしれない。しかし、一方で簡単なものだ。ただ一文字で表せるものだ。それは、それは、命…。